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三枝 純; 依田 朋之; 前田 智史; 岡崎 勤; 大谷 周一; 山口 敏夫; 栗田 義幸; 波澄 篤; 米澤 仲四郎*; 武石 稔
Proceedings of 14th International Congress of the International Radiation Protection Association (IRPA-14), Vol.3 (Internet), p.1078 - 1085, 2017/11
2011年3月の福島第一原子力発電所の事故後、原子力機構は新たに放射能分析施設を福島に立ち上げた。分析施設では高分解能線スペクトロメトリに基づき、土壌や水、ダストフィルタ、植物といった環境試料の放射能分析を月当たり約1,000件のペースで行っている。2012年9月の施設立上げ以来、分析結果の信頼性や、分析依頼者及び機器オペレータの利便性向上を目指した技術開発を実施し、制度的・技術的な課題を継続的に改善することで、ISO/IEC 17025規格に適合する試験所としての認定を得た。
星野 譲; 坂本 義昭; 室井 正行*; 向井 悟*
JAEA-Technology 2015-015, 96 Pages, 2015/07
照射後試験施設から発生する廃棄物の処分に向けて、廃棄物中の放射能分析結果及びその解析結果に基づき、照射後試験施設に共通的な放射能評価方法を検討する必要がある。そこで、ニュークリアディベロップメントにて保管されている可燃性廃棄物を対象として、分析試料3点から17核種(H-3, C-14, Co-60, Ni-63, Sr-90, Tc-99, Cs-137, Eu-154, U-234, U-235, U-238, Pu-238, Pu-239, Pu-240, Pu-241, Am-241, Cm-244)の放射化学分析及び実搬入燃料のデータを用いたORIGEN-2計算による廃棄物の放射能評価を実施した。本報告書では、実施した計算による廃棄物の放射能評価及び放射化学分析結果をまとめるとともに、計算結果と分析結果を比較し、適用する放射能評価方法を構築する上で課題となる点について整理した。
田中 忠夫; 神山 秀雄
JAERI-M 93-035, 22 Pages, 1993/03
ネプツニウム(V)とアルセナゾIIIとの錯形成による呈色反応を利用して、吸光光度法による水溶液中微量ネプツニウム(V)の連続定量を試みた。容量300lのフローセルへ、pHを4.3に調節した酢酸-酢酸ナトリウム緩衝液中のアルセナゾIII210Mとネプツニウム(V)110~110Mをそれぞれ0.5ml/minで送液し、650nmでの吸光度を検出した。種々の土壌試料からの溶出イオンの共存下で、10~10Mのネプツニウム(V)の連続定量が可能であることを確認した。本法を砂質土壌層中におけるネプツニウム(V)の移行実験に応用した。測定された砂質土壌層流出液中におけるネプツニウム(V)の濃度は、放射能分析との比較で良好な結果が得られた。
安達 武雄; K.Kammerichs*; L.Koch*
Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, Letters, 117(4), p.233 - 241, 1987/04
使用済燃料中のNpを精度良く定量するため、Npをスパイクとして用いた同位体希釈放射化学的定量法を確立した。使用済燃料中にはAmの娘核種であるNpが存在しており、これをスパイクとして用いた。NpをTTA(テノイル-トリフルオロアセトン)溶媒抽出法を用いてU,Pu,Am,Fpから分離後NpとNpに放射能比を線スペクトロメトリで同時に測定する。別に求めたAm濃度とこの放射能比からNp量を求める。使用済LWR燃料中のNp分析に適用した。
野口 正安; 佐藤 兼章*; 樋口 英雄*
Radioisotopes, 33(12), p.835 - 840, 1984/00
微弱放射能測定を目的として、液体シンチレータを用いた波形弁別法について検討した。ライズタイム分析法を用いて、波形弁別能がすぐれ、かつ、安価に調合できる新しいシンチレータが開発された。Figure of Merit値が3.5以上、エネルギー分解能が9%以下という性能が得られた。バックグラウンド計数率は、10mlの試料に対して0.013cpm/MeVであった。応用として、環境試料中のRaおよびPuおよび空気中放射性物質の分析を行い、よい結果を得た。この方法の長所は、試料調製が容易なこと、検出効率が高いこと、バックグラウンドが低いこと、線スペクトロメトリーが可能なこと等である。
石森 富太郎; 天野 恕; 上野 馨; 吾勝 永子; 渡辺 賢寿; 石森 達二郎*; 河村 正一*; 木曽 義之*; 加藤 豊明*; 浜口 博*
分析化学, 16(13), p.96R - 122R, 1967/00
抄録なし
三枝 純; 柳澤 華代; 山口 敏夫; 眞鍋 早知; 依田 朋之; 前田 智史; 内海 あずさ; 柴道 勝; 江尻 明; 栗田 義幸; et al.
no journal, ,
原子力機構は2011年6月に福島市内に活動拠点を設け、環境放射線(能)モニタリングや環境回復活動を実施してきた。2012年9月には福島市笹木野地区に分析所(笹木野分析所)を開設し、環境試料の放射能分析を行うための体制を整えてきた。このうち、線スペクトロメトリに基づく放射能定量について、2015年10月にISO/IEC17025国際標準規格に基づく試験所としての認定を得た。本発表では当分析所の目的、保有機器、業務の概要、分析の信頼性向上に向けた各種取り組みについて紹介する。
三枝 純; 前田 智史; 栗田 義幸; 依田 朋之; 武石 稔
no journal, ,
福島環境安全センター放射線計測技術グループでは東京電力福島第一原子力発電所事故対応に伴う各種環境試料の放射能分析を実施しており、放射能分析の信頼性を確保するための各種取り組みを実施している。これらの取りくみのうち、(1)検出器の環境バックグラウンド低減化、(2)異なる充填高さの試料に対するGe検出器効率補正パラメータの整備、(3)電気冷却式Ge検出器の日常点検データの解析、(4)ISO/IEC17025国際試験所認定の取得、について報告する。
駒田 諒*; 矢部 勇樹*; 新井 剛*; 佐藤 史紀
no journal, ,
多核種除去設備の処理水に対するCdの放射能分析に対して、両性イオン交換体SAIXを用いたカラム分離により、分析阻害元素を分離することを検討した。模擬試料を用いた試験により、多核種除去設備の処理水に含まれる分析阻害元素を分離できる可能性が示唆された。
馬場 祐治*; 下山 巖
no journal, ,
放射性核種から自発的に放出される特性X線を測定することにより、線の放出率が小さい核種の分析が可能かどうか検討した。Cs標準線源からは、娘核種のBa K線が1kBq当たり7.510cpsの強度で観測された。また、Sr標準線源からは娘核種であるY K線およびZr K線が1kBq当たりそれぞれ、2.710cps, 3.210cps観測された。Srは線を放出しないが、本研究の結果はX線測定により非破壊でSrを検出・定量できる可能性を示唆するものである。実際に福島県内で採取した汚染土壌のX線スペクトルを測定したところ、Ba K線は観測されたが、Y K線およびZr K線は検出限界以下であった。バックグラウンド変動から、本法の検出限界を見積もると、Csで約1.7kBq/kg、Srで約40kBq/kgであった。
二田 郁子; 比内 浩; 柴田 淳広; 駒 義和
no journal, ,
福島第一原子力発電所の原子炉建屋滞留水に粒子状固形分(スラッジ)として含まれる核種(Pu, Am及びCm)による汚染を把握するため、2号機トーラス室滞留水試料を孔径の異なるフィルター(10, 1, 0.1, 0.02m)で順にろ過し、ろ液(汚染水)及び各ろ過回収物の放射能分析ならびに元素分析を行った。核種は孔径10mのフィルターで99%以上が固形分とともに回収され、それ以下の孔径のろ過回収物や汚染水には0.1%以下しか存在しなかった。また、スラッジを構成する元素はFeが主であり、Zn, Al、またSiであることがわかった。
二田 郁子; 比内 浩; 北脇 慎一; 駒 義和
no journal, ,
福島第一原子力発電所の3号機原子炉建屋主蒸気隔離弁室にて採取された固形分を含む滞留水について、孔径10, 1, 0.1, 0.02mのフィルタで順にろ過し、放射能分析を実施した。核種のほとんどは孔径10mのフィルタ回収物から検出され、固形分に存在することが分かった。また、わずかに孔径0.02mのフィルタを通過するPu, Amを検出した。孔径0.02mのフィルタを通過するPu, Amについては、イオン交換樹脂と接触させる試験を行ったところ、いずれも陽イオン交換樹脂に吸着され、陰イオンにほとんど吸着されなかったことから、陽イオンであることが示された。滞留水の酸化還元電位、及びpHからPu, Amの存在しうる酸化状態としてAmはIII価、PuはIV価またはV価であると考え、さらに可能性のある化学形態の考察を行った。
二田 郁子; 比内 浩; 北脇 慎一; 駒 義和
no journal, ,
福島第一原子力発電所では、原子炉建屋等の地下に汚染した水が滞留しており、核種が検出されている。核種の存在状態を把握することを目的に、13号機原子炉建屋、及び、それらの滞留水が集約されるプロセス主建屋、高温焼却炉建屋にて採取された、固形分(スラッジ)を含む滞留水の分析を行った。滞留水を孔径10、1、0.1、0.02mのフィルタで順にろ過し、各分画についてPu、Amの分析を実施した。いずれの滞留水においても、スラッジのほとんどが10mフィルタで回収された。放射能分析から、Pu、Amについても99%以上が同フィルタ回収物から検出された。また、元素分析から、スラッジの主成分はFeであり、滞留水中のPuやAmは、建屋によらず、大部分がFeの粒子と存在することがわかった。PuやAmは、共沈や吸着により鉄化合物に収着し、スラッジへ移行していると考えられる。
二田 郁子
no journal, ,
原子炉建屋の汚染水を分析し、Pu等の線放出核種による汚染状況についてデータを取得した。分析結果が新しい汚染水処理設備の設計や、建屋を解体して発生する廃棄物の処理・処分方法の検討に役立てられることを報告する。